しみしわくすみ、黄ぐすみにもおすすめの美白有効成分、コウジ酸の光と影の歴史とは
先の記事で取り上げた、糀(麹、コウジ)に含まれるコウジ酸について書きますね~^^
コウジ酸の働きについては、NHK『発酵カフェ』でも、「美白作用がある」とされていました。
でも美白成分としてのコウジ酸の名前、私たちが使う化粧品では、あまり聞いたことがないのです。
それはなぜかということも含めて、まとめます。
◆コウジ酸とは
コウジ酸が発見されたのは1907年です。
お酒作りに携わる杜氏たちの手が白くなめらかなことに注目した結果、発見されたそうですね。
1970年代には研究が始まり、1988年には美白有効成分として厚労省から認可されました。
コウジ酸はアルブチンと並ぶ2大美白成分として注目の成分だったのです。
と言ってもおそらく、ハイドロキノンが日本で認可される前の時期のようですね。
今でも皮膚科では、ハイドロキノンでは肌への刺激が心配な方には、コウジ酸が処方されているのだとか。
でも今、さまざまな美白化粧品がある中、コウジ酸を配合した化粧品は、あまり見当たりません。
コーセーや三省堂のデルメッドで、ホワイトニング化粧品くらいでしょうか。
それにはある歴史が関係しているようですよ。
◆コウジ酸の美白作用について
コウジ酸は、メラノサイトの中に入り込んで、メラニン色素を作りだす酵素・チアシナーゼの働きを阻害します。
また、チアシナーゼ自体の生成も阻害するんですね。
さらには活性酸素の生成や炎症も抑制してくれます。
つまり、日焼けやニキビ跡などによしみやくすみ、肝斑などの色素沈着にも使える、ということだそうです。
分子構造から言っても、肌に浸透しやすく、副作用も少ないとか。
そしてもう一つ。
コウジ酸は、黄ぐすみにも効くそうです。
黄ぐすみの原因は、肌の糖化ですね。
⇒
肌糖化を引き起こすAGs(エージーエス)の生成を妨げる働きがあるのが、コウジ酸だというのです。
これはすごい。
美白成分として注目されたのもわかります。
◆コウジ酸は安全なの?
ネットで「コウジ酸」と検索すると、発がん性というワードも出てくるんですね。
これにはこんな理由がありました。
副作用も少ないとされたコウジ酸も、一時は発がん性が疑われた時があったのです。
その根拠は、外国製の化粧品のデータで、マウスに大量投与すると、肝臓に発がん疑惑がある、というものでした。
そこで厚生省は、コウジ酸を含む化粧品の製造・輸入を禁止。
ただこれは結局、「1%以下ではリスクが認められない」ということに落ち着いた、とのことです。
当時は化粧品業界からも
「杜氏たちはじめ、味噌、醤油を長年使っている日本人が、そのせいで肝臓がんになったなど、聞いたことがない」
との声が起きたそうですよ。
まあこれはわかります。
いくら体に良かったり害がないものでも、ほとんどのものは摂りすぎたら害になりますよね。
例えば塩でも水でも。
でも、いったんついたイメージを完全に消すことは難しいのでしょうか。
◆コウジ酸配合の化粧品
上の疑惑のためでしょうか、今はそんなに見当たりません。
今わかる限りでは、次の2つくらいです。
・コーセー インフィニティ リアライジング ホワイトローションxx
・三省製薬 デルメッド ホワイトニングクリーム
※お得なトライアルセットがありました
⇒《初回限定》約10日分で1200円
今はコウジ酸以外にも、新しい美白有効成分が発見&開発されていますが、
肌糖化への働きを考えると、もったいない気がしてしまいます。
コウジ酸原末なら、手作り化粧品の原料として販売されています。
ただ酸化や変質を防ぐには、作ったらすぐ使い切ってしまうことが大切だそうですよ。
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