りんごのペクチンが注目される理由と6つの健康効果、そして皮の安全性とは?
りんごポリフェノールに続いて、今回はりんごペクチン(アップルペクチン) 健康効果についてまとめました。
ペクチンとは、リンゴや柑橘類、いちごなどに含まれる食物繊維です。
ペクチンに期待される健康効果としては、主に次のものがあります。
・コレステロール値の低下
・血糖値の上昇をゆるやかにする
・便秘解消
・疲労回復
中でもリンゴのペクチンが注目されているのは、理由があるのですね。
富山大学医学部名誉教授の田澤賢二先生によると、
・リンゴのペクチンには、他のペクチンにはない強力なパワーがある
のだそうです。
りんごは日常生活で手軽に手に入りますし、ペクチンが豊富な皮ごと食べられる、という点もメリットですね。
では富山先生によるりんごペクチンの健康効果を見てみましょう。
おすすめの食べ方や量の他、りんごの皮の安全性についてもまとめましたので、最後までお読みくださいね。
りんごペクチンの強力な健康効果とは?
富山先生は、りんごペクチンのこんな作用に注目しました。
それは
《静菌効果》です。
りんごペクチンの静菌効果とは?
(ここより引用)
「静菌とは、文字通り金を”静かにさせる”ことです。
腸内には、腐敗物質や発がん物質を生み出す悪玉菌がたくさんいます。こうした菌を静かにさせることで、大腸がんの予防につなげられないかと考えたのです(後略)」
(引用ここまで:『女性セブン』より)
この静菌作用により、腸内の悪玉菌を静かにさせることで、大腸がん予防につなげられるのでは?とお考えになった富山先生は、ラットによる実験を実施しました。
その結果、りんごペクチンを与えたラットでは、便の色が健康的な黄色になり、腸内悪玉菌の増殖が押さえられたことがわかったのです。
また、便の量や重さも増え、排出までの時間も3/4ほどに短縮されたのだとか。
ということは、腸内で発生した腐敗物質や発がん物質も、早く排出できる、というわけですね。
これが大腸がんの予防や、肝臓の負担軽減にもつながる、とのことです。
さらに注目なのは、大腸菌0-157への抵抗力アップにもつながる、ということです。
富山先生によると、O-157の繁殖状態は、腸内環境が大きく影響するのだとか。
つまり
・腸内環境がきれい(腸内菌のバランスが取れている)⇒増殖できずに、そのまま排出される
ところが
・腸内環境が悪化している(悪玉菌が多い)⇒一気に増殖、食中毒の危険性が高まる
でもここで抗生物質を飲むのは要注意なんですね。
その理由は、O-157は抗生物質で死にますが、問題はその時にベロ毒素を出すためです。
0-157による食中毒で問題なのも、このベロ毒素。
そこで富山先生は、こうおっしゃっています。
(ここより引用)
「(前略)ですから、体内に悪い菌があっても、殺菌より”静菌”するのが賢い対処法です」
(引用ここまで:『女性セブン』より)
さらに田澤先生は、りんごペクチンには、老化の原因となる活性酸素の除去力もあることを明らかにしていらっしゃいます。
りんごペクチンの活性酸素除去力とは?
田澤先生が実験したのは、活性酸素の中でも、もっとも毒性が強いヒドロラジカルの除去効果についてです。
するとりんごペクチンは、分子量のサイズが小さくなるほど、その除去力が高まりました。
分子量のサイズをLL L M S の4サイズ別に測定すると、ヒドロラジカルの除去率は
LLサイズ 10.6%
L サイズ 1.5%
M サイズ 8.6 %
Sサイズ 84.3 %
Sサイズで、突然ぐんと数字が上がっていますね。
さらに注目なのが、Hサイズの 86 S%という数字です。
Hサイズとは、Sサイズをを120度で30分間加熱処理したもので、さらに分子量が小さくなっています。
これが、りんごペクチンは加熱するとよい、と言われる理由なのですね。
さらに有名なのが、こちらです
りんごペクチンの重金属やセシウム137などのデトックス効果
こちらについては、私もつい胡散臭い目で見てしまっていましたが、田澤先生によると、これらの排出も期待できるそうです。
その根拠は、1986年のチェルノブイル原発事故で被災した子供たちに、りんごペクチンを投与した比較実験です。
りんごペクチンを摂った子供では、体内のセシウムが63.6%減少、摂っていない子供は13.9%減少と、差がみられた、という結果が出た、とのこと。
ただしこの実験では、摂ったりんごペクチンは1日2回、5gずつで、期間は3週間でした。
富山先生によると、皮つきりんごの1個(約200g)のりんごペクチンは、約0.4~1.6gだそうです。
ですので、セシウム排出のためにりんごを食べようとしたら、1日6~13個くらいが必要になってしまいます。
これは実際的ではありませんので、ご注意を。
ではここで、りんごペクチンに期待される健康効果をまとめると
1)血糖値の上昇を緩やかにする
2)腸内環境を整えて便秘解消
3)大腸がんの肝転移を防ぐ
4)O-157への抵抗力をアップ
5)老化の原因となる活性酸素から体を守る
6)放射性セシウム137を排出
(参考:『女性セブン』)
さてそのりんごペクチン、どのようにして食べたらいいでしょうか。
りんごペクチンの効果をあげる、おすすめの食べ方
ペクチンがもっとも豊富なのは、皮の部分です。
ですので、皮ごと食べることがおすすめ。
りんごの皮を活用法、手軽にできる食べ方は?
加熱するといっそう効果が高まるので、焼きリンゴやジャム、アップルパイもいいそうですよ。
健康効果を期待するなら、1日あたり約200gのりんごで1~2個だとか。
(引用)
「(前略)食べ続けるのが大変な人は、りんごペクチンのサプリメントを利用してもいいですね」
(引用ここまで:『女性セブン』より)
ということでした。
皮ごとのりんごを生で食べる方法、私のおすすめです
生で食べる場合、一番手間がかからないのは、横にスライスする方法ですね。
これだと、皮があまり気にならずに食べることができます。
あとは皮ごとすりおろす。
この時は金属のおろし金でなく、陶器やプラスチック製を使いましょう。
金属では、リンゴが酸化してしまうので。
ミキサーやジューサーがあれば、リンゴジュースにします。
できればスロージューサーを使えば、作ったジュースが酸化しにくく、消化もいいですよ。
で、ここで気になったのが、リンゴの皮についてです。
これについても、改めて調べてみましたよ。
りんごの皮はワックス農薬は大丈夫?
結論を言うと、「大丈夫」です。
まず農薬について。
りんごの実はある程度成長するまで、袋に包まれています。
そのあとは赤く色づくように、袋を外して日に当てるのですね。
この段階では、農薬は使っていません。
ではりんご表面のつやつやしたロウみたいなものは?ワックスではないの?
と思うところですが、国産リンゴでは、ワックスは使っていないのです。
あれはワックスではなく、「油あがり」と呼ばれる現象で、リンゴの天然の油(リノール酸とオレイン酸)なのだとか。
なので国産リンゴは、表面をよく洗ったら皮をむかずに、そのまま食べてくださいね。
ということで、いかがでしたか?
りんごという身近な食べ物にこんなパワーがあるなんて、意外というか嬉しいというか。
でも私の場合、今のりんごの値段を考えると、1日1~2個のリンゴはちょっとなあ、なんて思ってしまう毎日です。
※りんごのパワー、まだまだあります
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